「このクリスマス、サンタさんどんなプレゼントを持ってきてくれるかな?」
12月24日の朝一番、20歳になった息子が、わたしをより高いところから見下ろしながら、そのようなフレーズを飛ばしてくるものだから、どんよりとしていたそれまでの眠気が一気に吹き飛んでしまい、部屋の隅に煌めくツリー越しにどことなく懐かしさに包まれている。
一週間ほど前のことであろうか。南イタリア(シチリア)のとある司教が、“サンタクロースはいない”発言をしてこどもたちの夢を削いでしまい抗議が降りそそぐというニュースが世界中を駆け巡ったことは日本でも周知のことであろう。
もちろんいろんなとらえ方があったようであるが、司教の発言はあまりにも商業ベースに走り過ぎたカトリック国の信仰心の衰退を嘆くものであって、終いには司教よりこどもたちに向けられた謝罪(言い訳ともとれるが)が出され、とりあえず一件落着をみたとのことではあるが、下火はいままだ燻っているようでもある。
そんなこと言ってしまったら、日本のクリスマスって何、とこと興味深い。そこに宗教色はまったくなく、それでいて年末商戦の中核にあり、増して対象はこどもたちだけに留まらずサンタクロースからは程遠いところにいる恋人たちにまでに向けられた“愛の祭典”とも言える。経済の活性化を煽ぐという点から見たら、もはやなくてはならぬ年末イベントの集大成であろう。イルミネーションにおいても本場を凌ぐ煌びやかさが見てとれる。
こどもたちがプレゼントを待ちわびる、という点を考えたらイタリアも日本もあまり変わりないであろう。ただ、イタリアの場合、エピファニア(公現祭)というクリスマスよりも2週間ほど遅れて(1月6日)やってくる、いわばクリスマス一連の行事を締めくくるその日までプレゼントを待つ、というのが習わしとなっている。ベファーナという魔女によって配られる、そう文字通り“魔女の宅急便”ということである。
もちろん長い歴史の中では諸説あるので、イタリア全土においてサンタ信者もいれば、魔女信者も存在する。トナカイと一緒に巡ってくるか、はたまたホウキを跨いでやってくるか、伝えるのは親やその上の世代であり想像を巡らすのはこどもたち、そのあたりは夢の領分なので大いに空想に耽ってほしいところである。
いまは大きく育った息子がまだ4歳の頃であろうか。イタリアとオーストリア国境近くの雪山(チロル地方)に家族こぞってスキーに出掛けた時のことである。仕掛け人は自分以外にいないイブの真夜中、ホテルのベランダにプレゼントを仕込んでおいた。翌朝、わたしを起こしたのはその息子。プレゼントを手にわたしの枕元で飛び跳ねている。当然だろう。しかもこのようにわめきながら。「見たんだよ、そりをひいているトナカイさんを。サンタさんはいなかったけれどトナカイさんはプレゼントおいて雪の中にまた走っていっちゃったんだよ。」
幼い息子と邂逅したそのような朝だった。
堂満尚樹(音楽ライター)
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